『This Is Service Design Doing』で仕事と組織が劇的に変わる実践的書評

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Conclusion
この記事の結論・要点
  • 「部分的な改善」ではなく、顧客の「一連の体験」を丸ごと設計する
  • 成功の鍵は「探索・創造・反映・実装」の反復プロセスにある
  • ジャーニーマップやブループリントで、見えない感情と裏側の仕組みを可視化する
  • 一部の部署だけでなく、組織全体を巻き込んで「顧客中心」の文化を育む

毎日の業務、本当にお疲れ様です。

「あれもこれもやらなきゃ!」と、タスクに追われてパンクしそうになること、ありますよね。

一生懸命に頑張っているのに、なんだか手応えがない。

あるいは、

新規事業を任されたけれど、競合他社との差別化に悩み、どう進めていいか立ち止まってしまう。

特に、中小企業の現場でプレイングマネージャーとして奔走している方や、チームをまとめる管理職の方であれば、痛いほど共感できる悩みかもしれません。

ですが、

今日ご紹介する本『This Is Service Design Doing』は、そんな私たちのモヤモヤを晴らし、「本当にやるべきこと」に集中させてくれる強力な味方になります。

この本は、単なるフワッとした理論書ではありません。

サービスデザインの第一線で活躍するマーク・スティックドーンさんたちが、現場で泥臭く培ってきたノウハウを詰め込んだ、まさに実践のためのバイブルなんです。

今日は、この本に隠された「仕事の進め方を劇的に変えるヒント」を、コーヒーでも飲みながらリラックスして一緒に紐解いていきましょう。

なぜ今、「サービスデザイン」が必要なのか?

そもそも、「サービスデザイン」って何でしょうか?

デザインと聞くと、ポスターの見た目をキレイにしたり、ウェブサイトのボタンをおしゃれにしたりする「装飾」のスキルを思い浮かべるかもしれません。

一方で、

本書が定義するサービスデザインは、そうした表面的なものとは全く異なります。

お客様がサービスを知り、使い、そして使い終わった後までの一連の「体験全体」を、まるでひとつの物語のように美しく、スムーズに設計する活動のことなんです。

今の時代、機能が優れているだけの製品や、単に安いだけのサービスはすぐに真似されてしまいます。

だからこそ、

ビジネスにおいて「他にはない心地よさ」や「シームレスな体験」を提供することが、最強の競争力になるんです。

この本は、人類学やビジネス戦略、マーケティングなど、様々な分野の知見を掛け合わせ、それをどうやって実際のビジネスに落とし込むかを丁寧に解説してくれています。

迷わないための羅針盤となる「5つの原則」

サービスデザインの実践において、ど真ん中にあるのは常に「顧客中心」というブレない考え方です。

お客様がサービスと触れ合う、そのすべての瞬間(接点)を大切にする。

そのための羅針盤として、本書では以下の5つの原則が示されています。

1つ目は「人間中心」。

単なるデータ上の数字ではなく、血の通った一人の人間として、お客様の本当の感情や悩みに寄り添うことです。

2つ目は「共創的」。

一部の天才デザイナーが密室で考えるのではなく、営業、サポート、エンジニア、そして時にはお客様自身も巻き込んで、全員でアイデアを創出します。

3つ目は「シーケンシャル(順序立てる)」。

サービスをバラバラの点の集まりではなく、時間が流れる「線」として捉え、リズムや流れを整えます。

4つ目は「エビデンスに基づく」。

「たぶんこうだろう」という思い込みを捨て、実際の観察やリサーチから得た事実ベースで意思決定を行います。

5つ目は「ホリスティック(全体を見る)」。

お客様の目に見える表側の世界だけでなく、それを支える裏側のシステムや組織の仕組みまで、全体を俯瞰して設計します。

どうでしょう?

この5つを意識するだけで、普段の会議での発言が少し変わりそうな気がしませんか?

確かに、「お客様のため」と言いながら、気づけば社内の都合ばかり優先していたかも……。
😊
圧倒的な成果を生み出す「4つのプロセス」

では、具体的にどう進めればいいのでしょうか。

本書が提示するロードマップは、驚くほどシンプルで実践的です。

基本となるのは、「探索」「創造」「反映」「実装」という4つのステップです。

まずは「探索(リサーチ)」。

いきなり解決策を考えるのではなく、お客様の行動をじっくり観察し、潜在的なニーズや、どこで不満を感じているのかを徹底的に理解します。

次に「創造」。

探索で見つけた課題に対し、多様なメンバーが集まるワークショップを通じて、解決策のアイデアをどんどん広げていきます。

そして「反映」。

ここで重要なのがプロトタイピングです。

Shutterstock

完璧なものを半年かけて作るのではなく、紙とペンで作った簡単な模型や、簡単な寸劇(ロールプレイ)で、まずは小さくテストします。

これによって、

失敗のコストを最小限に抑えながら、アイデアを磨き上げることができるんです。

最後に「実装」。

磨き上げたサービスを実際の事業として世に送り出します。

ですが、

これで終わりではありません。

この4つのフェーズは一方通行ではなく、必要に応じて何度も行ったり来たりしながら、らせん状に完成度を高めていく反復(反復)のプロセスなんです。

現場で明日から使える「最強の可視化ツール」

「やり方はわかったけど、具体的にどうまとめるの?」

そんな声に応えるように、本書には現場で即戦力になるツールがたくさん紹介されています。

中でも圧倒的におすすめなのが、カスタマージャーニーマップです。

Getty Images 詳しく見る

これは、お客様がサービスを利用する一連の行動や感情のアップダウンを、一枚の地図のように可視化するツールです。

これをチームで作ると、「あ、ここでお客様は不安を感じて離脱しているんだ!」という、隠れた課題が手に取るようにわかるようになります。

さらに、

もう一段階深く潜るためのツールが、サービスブループリントです。

これは、舞台の裏側を描き出す設計図のようなもの。

お客様からは見えない社内の業務プロセスや、裏で動いているITシステムが、どのようにお客様の体験を支えているかを明らかにします。

「フロント(接客)」と「バックヤード(裏方の作業)」の連携ミスで起こるトラブルを、未然に防ぐことができる魔法のツールなんです。

一人の熱狂から「組織の文化」へ変える道のり

素晴らしいツールやプロセスを知っても、それを一人でこっそりやっているだけでは、会社は変わりません。

サービスデザインの真骨頂は、単なるプロジェクトの手法にとどまらず、組織の文化そのものを変えていく力を持っている点にあります。

しかし、

新しいことを始めようとすると、「今のやり方で問題ない」「リソースがない」と、社内から抵抗を受けることも多いですよね。

本書では、そうした現場でよくある課題への対応策も丁寧に解説されています。

大切なのは、いきなり全社に導入しようとしないこと。

まずは小さなプロジェクトで成功事例を作り、その成果(エビデンス)を社内に共有しながら、少しずつ仲間を増やしていくのがコツです。

経営層から現場まで、全員が共通認識を持ち、部門の壁(サイロ)を超えて協力し合う。

そんな新しい働き方を実現するためのヒントが、この本には散りばめられています。

よい事例と悪い事例

【よい事例:課題の本質を見抜いた改善】

ある企業が、ジャーニーマップを使って顧客の「待ち時間の長さに対するイライラ」が最大の離脱原因だと特定。システム全体を根本から見直し、待ち時間を劇的に短縮したことで、顧客満足度とリピート率が急上昇したケース。

【悪い事例:表層的なデザインの変更】

顧客の根本的な課題(例えば使い勝手の悪さやサポート体制の不備)を放置したまま、ウェブサイトの見た目だけを流行りのデザインにリニューアルしたケース。イシューを間違えると、どれだけ時間とお金をかけても努力が水の泡になってしまいます。

見た目をキレイにするだけじゃダメなんですね。本質的な課題を見極めるのが大事だなぁ。
😊
読者の声と、よくある3つの質問(FAQ)

実際にこの本を手にした実践者たちからは、「仕事の進め方が根本から変わった!」「チームで同じ方向を向けるようになった」「顧客の痛みがより深く理解できるようになった」と、熱のこもった感想が多く寄せられています。

ここで、本書の導入に関して現場からよく挙がる質問を3つピックアップして、疑問を解消しておきましょう。

Q1. デザイナーではない普通の営業や事務職でも、このアプローチは使えますか?

もちろんです。

むしろ、最前線でお客様と接している営業担当者や、日々の問い合わせに対応しているサポート部門の方々が持つ「リアルな視点」こそが、サービスデザインには必要不可欠です。

特別なアートの才能は一切不要です。

Q2. デジタルサービスだけでなく、実店舗のサービスにも適用できますか?

はい、完全に適用できます。

例えば「カフェでの注文から退店までの体験」や、「病院での受付から診察、会計までの流れ」など、B2C・B2B問わず、あらゆるアナログな接点を含めたホリスティックな設計にこそ、この手法は威力を発揮します。

Q3. 忙しくてワークショップなどを開く時間が取れないのですが……。

最初は、大掛かりなことをする必要はありません。

まずは、普段の定例会議の最初の5分を使って、「最近お客様からどんな不満を聞いたか」を共有するだけでも立派な第一歩です。

小さく始めて、少しずつ日常業務に溶け込ませていくことが重要です。

明日から自分の仕事でどう使うか?(実践への落とし込み)

ここまで、サービスデザインの奥深い世界を一緒に見てきました。

理論や横文字が多くて難しそうに感じたかもしれませんが、大切なのは「学んで終わり」にしないことです。

では、明日会社に行って、自分の仕事にどうやってこの考え方を取り入れればいいのでしょうか。

例えば、日々の会議。

「競合が新しい機能を出したから、うちもやろう」という会話になった時、少しだけ立ち止まってみてください。

そして、「それって、本当にお客様にとって一番重要なことかな?」と問いかけてみるんです。

これだけで、議論の質がグッと上がり、無駄な機能開発や消耗戦を避けることができます。

あるいは、

新しい企画書を作る時、いきなり売上目標やスケジュールを書くのではなく、簡略版でいいので「カスタマージャーニー」の図を一枚添えてみてください。

「お客様はここで困っているから、この企画が必要です」と視覚的に伝えることで、上司や関係者の納得感が劇的に変わり、意思決定が驚くほどスムーズになるはずです。

会社全体が「顧客中心」という考え方を共有し、このプロセスを日常の習慣にすることができれば。

誰の役にも立たない無駄なプロジェクトは減り、本当に価値のあるサービスだけがスピーディに世に生み出されるようになります。

社員一人ひとりが「お客様のために何ができるか」を自ら考え、行動できる組織になれば、ビジネスの成長は確実に加速します。

『This Is Service Design Doing』は、ただ読むための本ではなく、ボロボロになるまで使い倒すための本です。

毎日一生懸命に頑張っているのに、なぜか空回りしていると感じているあなた。

明日から、自分の担当業務の中で「やらないこと」を一つ決め、浮いた時間で「お客様の本当の感情」を想像する時間を作ってみませんか?

この一冊が、あなたの仕事に革命を起こすきっかけになることを願っています。

参考資料

This Is Service Design Doing――新しいサービスデザインの実践|マーク・スティックドーン/アダム・ローレンス/ヤコブ・シュナイダー/マルクス・エドガー・ホーマン

・本の長さ 576ページ
・言語 日本語
・出版社 ビー・エヌ・エヌ新社
・発売日 2020/2/18

経営コンサルタント 櫻井
経営コンサルタント 櫻井

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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